取り寄せ販売(無在庫)運用マニュアル
― 各プラットフォームの規約を守って、長く続けるために ―
RelationMarketing株式会社
はじめに:このマニュアルの前提
このマニュアルは、**在庫を先に持たずに販売する(取り寄せ販売)**運用を、各プラットフォームの規約の範囲内で行うための手順書です。
以前の運用と大きく変わる点が4つあります。ここが土台になるので、必ず最初に確認してください。
変更点①:出店は、必ずご自身の名義で
アカウントの貸与・共有・譲渡は、ほぼすべてのプラットフォームで禁止されています。また、出品者名義の方がすべての取引責任を負います。
したがって、アカウントはご自身で開設し、ご自身で管理してください。 当社はツールの提供と運用サポートを行いますが、アカウントの名義人にはなりません。ID・パスワードを第三者に渡さないでください。
変更点②:仕入れは「直送を許諾している卸」から
一般消費者向けの通販サイトで購入して転送する方法は行いません。
取引先は、事業者向けの卸売サイト、またはメーカー・問屋との直接取引に限ります。 選定の条件は次のとおりです。
- 事業者登録(法人または個人事業主)をして取引すること
- ドロップシッピング(直送)が許諾されていることを、利用規約または担当者への確認で明示的に確認できること
- 商品の在庫状況をリアルタイムまたは日次で取得できること
- 請求書・領収書が発行され、仕入として経理処理できること
変更点③:販路は「取り寄せ販売が認められている」ところのみ
出品時点で手元に商品がない販売を明確に禁止しているプラットフォームでは、出品しません。
出店前に、そのプラットフォームの最新の利用規約・出店規約を確認し、取り寄せ販売(受注発注)が認められているかを必ず確認してください。規約は改定されるため、出店時と、その後も定期的に確認が必要です。判断に迷う場合は、各プラットフォームのサポート窓口に直接照会し、回答を記録として残してください。
変更点④:隠さない、偽らない
販売方法を隠す運用は行いません。 取り寄せ販売であること、発送までに日数を要することを、商品ページとショッププロフィールに明記します。
事実と異なる申告・連絡は、いかなる場合も行いません。 これは規約以前に、法令上の問題となる行為です。
1. 開業前の準備
1-1. 事業者としての届出
- 開業届を税務署に提出(個人事業主の場合)
- 継続的に販売するため、事業としての届出が必要です
1-2. 古物商許可(中古品を扱う場合)
中古品を仕入れて販売する場合、古物商許可が必須です。 所轄の警察署を通じて、各都道府県公安委員会に申請します。
- 許可なく中古品を反復継続して売買することは、古物営業法違反にあたります
- 取得後は、許可番号を各ショップの特定商取引法表示に記載してください
- 新品のみを扱う場合は不要です
1-3. 特定商取引法に基づく表示
各ショップに、以下を正確に記載します。
- 販売事業者名(ご自身の氏名または屋号)
- 所在地・電話番号・メールアドレス
- 販売価格、商品代金以外に必要な費用
- 引渡し時期(取り寄せに要する日数を含めた現実的な日数)
- 返品・キャンセルの条件
- 古物商許可番号(該当する場合)
1-4. 仕入先の確保
前述の条件を満たす卸を選定し、事業者として契約します。「直送が可能か」は、口頭ではなく書面またはメールで確認を取り、記録を残してください。
2. ショップの設定
2-1. プロフィール(例文)
取り寄せ販売であることを明記します。 隠さないことが、長く続けるための前提です。
ご覧いただきありがとうございます。
当ショップは、お客様からご注文をいただいてから
仕入先へ発注する「お取り寄せ」形式で
販売しております。
そのため、発送までにお時間をいただきます。
(通常◯~◯営業日程度)
土日祝は休業のため、発送が翌営業日以降と
なる場合がございます。
お急ぎの場合や、お届け時期のご希望がある場合は、
ご注文前にコメントにてお問い合わせください。
仕入先の在庫状況により、やむを得ず
キャンセルとさせていただく場合がございます。
あらかじめご了承いただけますと幸いです。
2-2. 商品ページに必ず記載する事項
- お取り寄せ商品であること
- 発送までの目安日数
- 在庫状況により手配できない場合があること
- 商品の状態(中古の場合は、状態のランクと傷・使用感を正確に)
掲載する画像・説明文は、実際に販売する商品と一致させてください。 仕入先の画像を使用する場合は、その使用が許諾されているかを確認してください。
3. 日々の運用
3-1. 出品
- ツールが抽出した候補を確認する
- 仕入先で現在も在庫があるか、価格が変わっていないかを確認する
- 商品説明に取り寄せ表記が入っているかを確認する
- 問題なければ出品する
確認せずに一括出品しないでください。 在庫切れ商品の出品が、キャンセル率の上昇とアカウント評価の低下を招く最大の原因です。
3-2. 在庫管理
- 仕入先の在庫状況を定期的に取得し、在庫切れの商品は速やかに出品を取り下げる
- 販売価格は、仕入価格・手数料・送料を反映して見直す
- 手配できない商品を出品したままにしないことが、最も重要な品質管理です
3-3. 注文が入ったとき
- 注文内容を確認する
- 速やかに仕入先へ発注する
- 購入者へ、受注と発送予定の連絡を入れる
- 発送後、追跡番号を連絡する
購入者への連絡文(例)
このたびはご注文いただき、
誠にありがとうございます。
ただいま仕入先へ発注の手配を進めております。
発送は◯月◯日頃を予定しております。
発送が完了しましたら、
改めてご連絡いたします。
何かご不明な点がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。
3-4. 在庫切れで手配できないとき
事実をそのまま伝え、速やかにキャンセル手続きを行います。
このたびはご注文いただき、
ありがとうございました。
大変申し訳ございませんが、
ご注文いただいた商品につきまして、
仕入先の在庫が確保できず、
お届けすることができなくなりました。
つきましては、ご注文をキャンセルさせて
いただきたく存じます。
ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
(代替商品がある場合)
なお、類似の商品として◯◯がございます。
ご希望でしたらご案内いたしますので、
お気軽にお申し付けください。
キャンセル理由は、事実に即したものを選択してください。 購入者都合として処理する、購入者からのキャンセル依頼を誘導するといった対応は行いません。
在庫切れによるキャンセルは、出品者側の評価を下げます。だからこそ、3-2の在庫管理を徹底することが最も重要です。 評価を守る方法は、理由を偽ることではなく、キャンセルを起こさないことです。
3-5. 発送の遅延
遅延が見込まれる場合は、判明した時点で、事実を購入者に連絡します。
ご注文いただいた商品につきまして、
仕入先からの入荷が遅れております。
発送予定日を◯月◯日頃に変更させて
いただきたく、ご連絡いたしました。
お待ちいただくことが難しい場合は、
キャンセルの手続きをいたしますので、
ご遠慮なくお申し付けください。
事実と異なる遅延理由を伝えることはしません。
3-6. 返品・返金
仕入先への返品は、仕入先の返品条件に従い、正当な理由でのみ行います。
- 商品に不具合があった、注文と異なる商品が届いた等、実際に該当する理由のみを申告してください
- 該当しない理由を選択して返金を受けることは、虚偽の申告にあたります。行わないでください
- 自社都合で返品できない場合は、その損失は事業上のコストとして処理します
購入者からの返品要望には、特定商取引法および各プラットフォームの規定、ならびに自身が定めた返品条件に従って対応します。
3-7. 値下げ交渉への対応
仕入価格・手数料・送料を確認し、利益が確保できる範囲で判断します。応じられない場合は、その旨を丁寧にお伝えして構いません。
4. アカウントを守るために
4-1. 規約の確認を習慣にする
各プラットフォームの規約は改定されます。四半期に一度は、出店中の全プラットフォームの規約を確認してください。 取り寄せ販売の可否に関する記載が変わった場合は、運用の見直しが必要です。
4-2. 警告・通知は必ず確認する
プラットフォームからの通知(商品の削除、規約に関する連絡、違反申告など)は、必ず内容を確認し、必要な対応を取ってください。 無視すると、警告の蓄積によりアカウント停止につながります。
判断に迷う通知を受け取った場合は、当社サポートまでご連絡ください。
4-3. 「良いショップ」の基準
- 手配できる商品だけを出品している
- 発送が予定どおり、または予定より早い
- 問い合わせへの返信が早く、正確
- 規約を守っている
キャンセル率と評価は、在庫管理の精度に比例します。 ここに手間をかけることが、結果的に最も売上を安定させます。
5. 当社のサポート範囲
- ツールの提供、インストール・初期設定の支援
- 遠隔ログインによる操作サポート
- 仕入先選定、規約確認に関する情報提供
- 運用上の相談
アカウントの管理・運用の主体は、名義人であるお客様ご自身です。 当社が代わりに管理・操作を行う場合も、最終的な判断と責任はお客様に帰属します。
6. 行ってはならないこと
以下は、規約違反または法令違反にあたる可能性があるため、当社としては一切推奨せず、行わないでください。
- アカウントの貸与・共有・譲渡
- 販売形態を偽って表示すること、隠すこと
- 事実と異なる理由での返品申告・キャンセル処理
- 事実と異なる遅延理由・在庫状況の連絡
- 出品順位を操作する目的で、自己または関係者が閲覧・お気に入り・入札等を行うこと
- 手配できないと分かっている商品を出品し続けること
- プラットフォームからの警告・通知を無視すること
改訂履歴
| 版 | 日付 | 内容 |
|---|---|---|
| 1.0 | 規約準拠版として全面改訂 |
本マニュアルの内容は、各プラットフォームの規約および関係法令に基づき作成していますが、規約は随時改定されます。最新の規約は各プラットフォームの公式情報をご確認ください。また、個別の法的判断が必要な事項については、専門家にご相談ください。